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豊かな心と言葉で ひびき合う美しい学校

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〒509-1104 岐阜県加茂郡白川町和泉342−2

図書館教育LIBRARY EDUCATION

図書館教育


 平成26年度 読売教育賞最優秀賞受賞      
 「読書活動から思いを広げ深め、豊かに表現する子の育成」

<はじめに>

 白川小学校は、児童数67名、PTA会員数50の小規模校である。児童の実態として、穏やかで優しい子が多いが、小規模校故に詳しく話さなくても通じ合うことがある。ましてや学年に至っては、保育園から同じ人間関係であるため短い言葉ですましかねない。そんな児童達に「読書の好きな児童を育て、豊かな心・豊かな表現力を育てたい」という願いのもとで読書活動を進めてきた。そのためには、図書館内の環境を整え魅力的な図書館を作ること、児童が本を読みたくなるようなきっかけを上手く作っていくこと、児童が本を読む時間を意図的に設定、または確保することを行ってきた。また、国語科における並行読書の導入で、読書内容に深まりを持たせるように仕組んできた。そうした取り組みが認められて、平成24年度の4月に読書活動において文部科学大臣賞をいただくことができた。
 それにとどまらず、今までの読書活動の実践の上に立って、そこから新たな活動を仕組むことで新学習指導要領が求めている思考力・判断力・表現力を高めたいと考えた。たとえば、自分で選書することや、その本の中から必要な情報を取り入れるためには思考力と判断力を要する。また、得た知識を伝えるためには表現力が必要である。そのために、平成24年度からは、並行読書を物語教材から説明文や他の教科にまで広げたり、新聞を活用したりしてきた。更には、集団読書などいろいろな読書活動を通して、自分の思いを確かなものにして、その思いを相手に納得してもらえる豊かな表現力をつけたいと願ってきた。
そこで、楽しむ読書に加えて図書館や本を活用した読書活動を意図的に仕組むことで主体的に学びに役立てる子を願って実践を重ねてきた。
 そして何よりも大切なのが、『本を読み、本を活用してよかった』という喜びを担任と一緒に感じることを願って実践をしてきた。

(1) 足を運び、本に手を出したくなる環境づくり


魅力ある図書館@ 魅力ある図書館づくり
 児童が図書館に足を向け、本に手を出したくなるような魅力ある図書館を心がけている。書架やカウンター、畳等は、地域のいろいろな方々のご協力で、作り変えていただけた。おかげで、明るい図書室に生まれ変わることができた。さらには、地域の図書館「楽集館」からも派遣されている司書の方々のお力を借りながら、掲示やコーナーの工夫をしてきた。おかげで、季節を感じさせる掲示や本コーナー推薦図書など本を読みたくなるきっかけが充実している。

A 全校体制での取り組み
 読書指導において担任によってばらつきが出ないようにするため、下記のようにある程度の指導基準を示したことで、全校の足並みをそろえている。
 ○低学年は読書のすりこみ期
  ・担任と一緒に毎日本借りに行く。
 ○中学年は絵本からさらに字数の多い本へ 移行期
  ・よい本をとにかくたくさん読ませる
  ・中学年の指導次第。分かれ道
  ・読書時間の確保
 ○高学年は文学への入り口、チャレンジ期
  ・読書力の差がかなり出てくる → 難しい本ばかりでなく読みやすい良書を提供する
  ・さまざまな本を紹介し読書意欲を高める
  ・みんなで読む時間をとる → クラスみんなで活字を長時間読むことにチャレンジ

第2図書館B 体験や活用ができる第2図書館の設置
 読む楽しさを味わうオアシスとしての図書室は美しく完成されてきた。平成24年度と25年度にかけて、体験活動のできる第2図書室を作った。そこには、地域からいただいた古道具に加え、展示品に関する本を置き、自由に入って学習体験活動が行えるようにしている。
 特に、3年生の社会科の「古い道具と昔の生活」では、昔の生活や道具に関することを本で調べたり家族に聞き取りしたりした上で、地域の方から実際にお話を伺った。事前調べをしたことで、昔の生活をより身近に感じることができている。

(2) 読書の質を高める読書カルテと読書相談


読書カルテ 読書からは豊かな心や言語を育成することができる。しかし、児童の中には、図鑑しか読まないなど、選書に極端な偏りのある児童がいた。そこで、読書カルテを作成し、児童の読書に対する意識を調べる手段とした。
 読書カルテには、読んだ分類を確認したり、心に残る本の題名や心に残った言葉を書き留めて自分の言葉の宝になるようにしたりした。読書カルテは年に3回行っている。その読書カルテを用いて、毎学期、担任と行う教育相談の時に読書相談を行うようにした。
 低学年児童に、『ともだちや』の本を紹介したところ、何回も好んで読んだり、シリーズにまで広げて読んだりする姿があった。また、お話の絵では『ともだちや』の絵を選んで描く姿があった。
 また、6年担任は、全員の読書カルテから、自分の学級の児童は1分類や8分類を読む児童が少ないことをつかんだ。そこで、意図的にその分類の本の読みきかせを行った。更には、理科・社会科などの教科や家庭学習で使える方法を指導した。そこには、卒業を前にいろいろな分類の本と出合わせたいという担任の願いがこめられていた。
 その成果、自主的に授業と関連させて読むようになり、卒業までには全分類を読む姿につながった。 一人一人の読書カルテからは、読書生活の広がりと深まりが刻まれており、担任との読書相談で一人ひとりの歩みを賞賛し共感することで、子どもたちに読むことへの自信と楽しみを味わわせることにつながった。また、それと同時に、児童がどんな言葉を獲得し、素敵な言葉に出会っているのかも把握できることで、さらに、語彙力を伸ばす指導も試みることができるようになってきた。また、並行読書を活用してきた効果として、毎学期行われる読書カルテの中の「心に残る本、好きな本」に、並行読書で読んだ本が選ばれることが多くなってきた。

(3) 友達同士で本の楽しさを伝え合う読書活動


図書委員会 本の楽しさは、教師が意図的に全校集会の場で広めるようにしている。人権週間なら人権に関する本を、歯科保健週間なら、養護教諭が歯に関する本などを時期に応じて広めている。そこには、意図的な働き掛けがあるので、「借りたい」という意欲につながっている。
 本の楽しさを味わった児童が仲間に伝えることは、親近感を持たせ興味を起こさせる。児童は、楽しさをわかってほしいという思いから、説得力や表現力を必要とする。また、同年代の仲間がどのように表現するのかを学びあう中で、伝える表現力の高まりが出てくると考えた。そこで、児童同士で読書の楽しさを広めあう場を意図的に設定した。

@ 委員会活動
 図書委員会には、希望する児童が多い。その委員会児童の意識を更に高めるために、委員一人一人の得意な分類番号を紹介するネームカードを作り、定期的におすすめの本を紹介し展示している。選書も児童代表をして、委員会の子達の意見を取り入れて購入している。
<主な委員会活動>
○6月・11月の図書館祭りの活動を計画し、全校に紹介している。楽しく図書館祭りに取り組めるようにいろ
 いろなアイディアを出してくる。(みんなでつなげよう、読書の輪)
   ・ジグソーパズル   ・出前紙芝居屋さん   ・図書館クイズ
   ・つなげよう読書の輪   ・わくわく読書会(縦割り班の読書会)  
○昼休みには、委員会の児童達による読み聞かせを通じて本の紹介をしている。
○白川町の読書サミットで白川小学校の図書の取り組みを町内に紹介するので、学校代表として責任を持って発
 表している。

A わくわく読書会
 本校は、1年生から6年生までの縦割りグループでなかよし活動(わくわく活動)を仕組んでいる。そのわくわく活動の一つに、月に1回わくわく読書会を行っている。短い言葉で、本の内容と感想を6年生から1年生までが順に語っていく。最初は、1年生を中心に言葉に詰まる児童がいるが、高学年の話し方を聞いていくことで、話し方を学び、徐々に上手になっていっている。更には、自分が読んだ本の紹介をしあうことで、仲間がどんな本を読んでいるかを知ることができ、親しみを感じる場になっている。下級生が紹介した本で読んだことがある上級生は、「わたしも同じように涙が出たよ。」などと、共感しあったり、また、下級生は、上級生が紹介した本にあこがれを持つことができたりする場となっている。

ビブリオバトル B ビブリオバトル
 本を紹介しあう「わくわく読書会」から一歩進んだ「ビブリオバトル」を昨年度から始めた。各学級で予選 を行い、決勝では低中高学年の3つの部会に分かれて、ビブリオバトルを行っている。自分の紹介したい本を 皆の前で紹介し、本に関する質問に答える。聞いている人は、その中から、読んでみたい本に手を挙げて選ぶ 活動である。聞く側は、選ぶために真剣に話を聞いたり、質問をしたりした。低学年でも、どんな風に感動を 伝えようかを一生懸命に考えた。このことは、言語活動を高めることにつながっている。

C 読書郵便
 本校は、6年生が卒業前に6年間読んだ本の中で、在校生にお勧めしたい本2冊(低学年用・高学年用)を 残している。67人という小規模校のため、全校が互いに名前を知って いる関係である。「6年生の○○さんが紹介している本だから」と顔を思い浮かべることができるので、親しみを持って借りている。さらに展示だけではなく、「全国読書の日」の前後には昼の校内放送でも、紹介文を読んで広めている。紹介された本を読んだ在校生は感想を書き、集まった感想を集めて中学校に送って卒業生に渡してもらうようにしている。また、卒業記念品として、心に残った本の絵を描いた本立てや紹介カード刺しを製作して、学校に寄贈してくれている。本立ては、図書室だけではなく、校内の本の紹介コーナーのあちらこちらにおかれて本の展示に役立っている。

(4) 思いを広げ深める「並行読書」の活動


並行読書コーナー@ 単元を貫く並行読書の位置付け
 白川小学校では平成21年度より国語の物語教材で、単元の内容を並行的に読む本を紹介し、教材文と同時に読ませる並行読書の研究を続けてきた。その結果、教材文だけでは、読みとれないような、広がりや深まりのある気持ちの読みとりができてきた。例えば、2年生の「お手紙」では、並行読書で「がまくんシリーズ」を読んだ児童から、「どうして、かえるくんは、がまくんの家に行ったのか。なぜ、そんな服をきているのかを」つかむことができ、話し合いに深まりが出てきた。そうした物語教材の実践を積み重ねながら、平成24年度からは、説明文教材や、他教科にまで並行読書を広げてきた。物語文に加えて、説明文や他教科でも、教材文と並行して関連する本を担任が意図的に読ませることで、考えに広がりが見られた。児童一人一人においても、じっくりと選びぬかれた本に立ち向かうことができ、並行読書の中から心に残る本を見つける児童もでてきた。
 そこで、今回は、新たに開発をした説明文や他教科での実践を中心に紹介する。その前に、並行読書の本校としての取り組み方について基本を紹介する。

A 並行読書の取り組み基本姿勢
ア 選書の仕方
 選ぶ並行読書の本は、まず単元の内容にあっている本であること、さらに読み深めたり広げたりできる本であること、一人一人のレベルに合ったほんであることを条件にしてきた。並行読書の本は一人一人のレベルにあった本を選ぶことが大切な条件になってくるため、担任が時間をかけて本を選び教室のブックコーナーに置くようにしてきた。しかし、並行読書を何度も取り組んでくると、担任が選書するよりも児童自らが図書館で本を探す方が効果的に学習できることも分かってきた。
 例えば、2年生「たんぽぽのちえ」を学習した時、一次を図書館で行い、たんぽぽについて知っていることを紹介し合い、さらにたんぽぽのことを知りたくなり、本を探す学習につなげた。図書館に展示してある分類表や知識コーナーを探す児童の姿は、課題を解決するために主体的に図書館を活用することにつながった。
 選書の最終の目的は、自分が抱える課題について必要な本を選び、その中から必要な情報を取り出すことを自力でできることである。そこに至るまでには、前述のように、
  ・よい本を担任がじっくりと選書したものを勧める。
  ・児童と一緒に図書館で選書する。
  ・自分で選書した本を展示して並行読書コーナーに展示する。  
 この過程を大切にしてきた。こうした活動を続けていくうちに、1年生でも2学期後半からは、自分で選書できるようになった。

イ 学習における読書活動の種類
 研究を重ねるうちに、並行読書はただ単に、単元と並行して読ませるだけでなく、
   先行読書・・単元を始める前から扱う読書
   並行読書・・単元と並行しながら読む
   継続読書・・並行的に読ませた後も継続させる読書
の3つの読書活動を組み合わせることで有効的に本を活用できる学習になることが分かり、使い分けるようにしてきた。単元の特徴を理解し、どの読書活動を選んでいくか、継続読書まで発展させていくかを考えることが大切になってきた。
 継続読書を行ったことで、さらに他教科まで広がりを持たせ、内容を深めて読むことができた。

B 国語科における並行読書の実践
 平成25年度からは集団読書用テキストも並行読書に取り入れた。並行読書に取り入れたことで、児童の発言が変わり授業に生かすことができた。

ア 4年生の「3つのお願い」の実践
 4年生の「3つのお願い」の学習は、感想文指導の教材である。先行読書として、集団読書を行った。読む力に差があるため、どの子にも簡単に読める手のひら文庫から物語を選び、それを読むときに、必ず、登場人物と自分を比べながら読むという視点を持たせ、交流では、自分と似ているか、自分と違うかについて意見交流を行った。その際、どういうところが似ていると思うのか、どうしてそう思ったかといった根拠も明らかにして交流させ、その中で、自分の経験とつなげて話せた子を価値づけ、認めていった。その活動を通して、これまでに、児童は様々な本を読んでいるが、自分と比べながら読むという視点でも読むことで、内容がさらに深く読み取れることができ、そして、それを生かすと感想文の内容をふくらませることができることも学ばせてきた。そのせいか、「3つのお願い」の学習では、自分と関わらせて発言する児童が増えてきた。

イ 5年生「「百年後のふるさとを考える」の実践
 手塚治虫さんの本を扱った。手塚治虫さんは道徳の資料にもなっているため子どもたちにとって身近な人物となった。それをきっかけに、他の伝記も進んで読むようにもなった。単元末の言語活動を「伝記を読んで自分の生き方を考えよう」にし、並行読書から共感した言葉とともに、どんなことを感じて自分の人生に生かしていくかを書きまとめていった。例えば、『樋口一葉の「うまくいかなくても絶対に逃げない」という言葉から、勉強で問題が解けないときでも最後まであきらめずに取り組みたい』という願いを持つ児童がいた。その後、この児童は、苦手だった算数を努力して3学期末には、「好きになった。」と自信を持って全校の前で言えるまでになった。また、偉人の名言を自分なりに理解し、自分の生き方に活用していく姿もあった。

ウ 6年生「生き物はつながりの中で」の実践
本を使った発表 人間は様々なつながりの中で生きていることを教材文から学び、並行読書からは、人間と魚、自分と母、自分と自然などのつながりを具体的に考えることができた。並行読書は、最初は、教師が提示した3冊の本だけであったが、児童達が図書館からみつけてきた本を互いに読みあった。この活動でつながりは思っていた以上にたくさんあることに気付くことができた。研究授業の中では、「『命について考えよう』の本から、人間は、私、両親、その両親、そのまた両親というつながりの中で生まれたことを改めて感じました。未来は、私が子供を産んでいけばつながっていくことがわかりました。」と発表した。それを受けた児童が、「私は『命のまつりシリーズ』を読んだ時、おかあさんと話したことがありました。その時、私がおかあさんのお腹にいる時、おかあさんが、私の命と思って大事にそだててくれたから今の私がいるということがわかりました。」と発言した。
 さらには、継続読書をしていく中で、児童の自主学習ノートから、昔から続いている長い歴史、その中の一人として自分が今生きていることを考えることができた。また、自分たちの周りの社会とのつながりも発見することができるなど、教科書だけでは得られない考えに深めることができた。この学習の感動は、1月の学習発表会につながった。

C 国語以外の教科での並行読書の実践
 国語以外の教科でも並行読書を取り入れて実践している。児童にとっては、並行読書が当たり前になってきているので、教師の働きかけで、自分たちで本を選び出してくることができるようになってきた。

ア 1年生生活科「むしとなかよし」の実践
 本校は山間に囲まれた自然豊かな町である。九月に、地域の方の畑を借りて、虫集めを行うことができた。そこで、「虫のいえのはくぶつかんを作ろう」と指示を出した。児童は、自分たちで、採集してきた虫に関する図鑑を自分たちの力で探してきて調べまとめることができた。博物館を開くという目的が、詳しい観察や記録につながった。博物館には、採集してきた虫と一緒に調べた図鑑と観察プリントを展示した。
 全校対象に生活科室で博物館を開催したところ、上級生も感心するほどの内容になり、大盛況に終わった。これにより、児童は大きな達成感や喜びを味わうことができた。自分で並行読書を探し出させるように仕組んだことで、活用の仕方が、より積極的になった。

イ 6年生理科「人と環境」の実践
 今、大きな問題になりつつある環境問題について一人一人に考えさせることをねらいとして、並行読書を取り入れた。単元の出口を「環境問題を考えよう」とし、並行読書、継続読書として調べたことをもとに発表会を開いた。話す内容は、調べたことの根拠となる本を紹介しながら発表すること、自分の考え、今後、考えていきたいことなどについて発表した。身近な周りのことから地球規模まで考えるなど、さまざまであったが、仲間の考えを聞き合うことで、自分の考えの浅さに気づいたり、広がりや深まりを持たせたりすることができた。本から得た知識だけではなく、自分の立場からできることをしっかりと話す姿に中学校の校長先生からお褒めの言葉をいただき、自信や中学校への期待につなげることができた。

D 集団読書の位置付け
 本校は、毎木曜日の朝を「全校読書の日」と位置付けて、前日机の上に用意して帰った本を、登校した児童から読んでいる。
 更には、平成24年度から、水曜日の朝、月に1〜2回「集団読書の日」を設けている。これは、短い内容の同じ本を学級全員で読んだ後、感想を伝えあうことで、考えを広げたり深めたりできるようにするのがねらいである。読む前には、発達段階に応じて、「自分の体験と照らし合わせて読もう」など、視点を与えたり、感じた部分に付箋を貼らせてそこから感想を言わせたりしている。高学年になる程、筆者の主題に迫るまでに深まってくるようになってきた。

(5) 児童の読書を支える保護者・地域との連携


 読書は学校の取り組みだけでは長続きしない。やはり家庭、さらには地域の応援も大きく影響する。幸い、本校の保護者も白川町も「読書の町」として学校に大きな理解や協力をいただいているため安定した取り組みがされている。

@ 家族読書の取り組み

 この取り組みは、家族に読書の大切さを啓発する意味も込められている。6月の図書館祭りでは、2週間で心に残った本を親子で書くことを行い、1月の図書館祭りでは、2週間にわたり、読書記録をつけている。どちらの取り組みも心に残る本を見つけることや家族読書によって会話が増えることをねらってきた。また、母親委員会の呼びかけで、夏休みには、ノーテレビデー、ノーゲームデーの取り組みが提案されている。夏休み後のアンケートも母親委員会が集計をし、その結果を母親委員会が報告して啓発をすることで保護者の読書への意識が高まっている。

A 日曜参観日での父親による読み聞かせ
 6月の日曜参観日には、父親の読み語りを行っている。1年生入学時に何年生に誰の親が読むかを決めてくださっている。母親とは違った本を選ぶなどの、父親ならではの読み聞かせは、母親とは一味違った深いものがあり、日曜参観日の目玉ともなっている。

B 保護者・地域の読み聞かせ「お話玉手箱」
お話玉手箱 「お話玉手箱」は、PTAの保護者を中心に地域の方々も参加して、月に2回行われる読み聞かせである。保護者の参加は毎年70%以上の参加率である。笑って楽しめる本、季節に合った本、さらには子どもたちへの願いが込められた本もあり、楽しい本との出会いの場となっている。児童たちへの読み聞かせが終わった後は、保護者は、校長室で読んだ本の紹介や児童達の反応などを話し合っている。本を通して語らい合うすてきな時間となっている。

C 地域の図書館「楽集館」との連携
 白川町には、町営図書館「楽集館」がある。ありがたいことに、夜8時まで開館をしているので、学校内に置いていない並行読書関連の図書を、勤務時間後に借りに行くことができている。また、岐阜県立図書館の本も「楽集館」を通して借りることができるので、多くの本との出会いができる場となっている。また、「楽集館」からは、図書館司書が配置されていて、4月には、図書館ガイダンスを学年に応じて全学級していただいている。さらには、館内の掲示やコーナーの設置はもちろん、ブックトークなども行っていただけるので、子ども達は気軽に本の相談を行っている。

実践の成果


○並行読書の選書を児童も一緒に行ってきたところ、自分たちで教材に応じた本を選び出すことができるように なるなど、図書館を活用する力、本を選ぶ力が育ってきた。
○他教科でも並行読書を取り入れることで選書の仕方、本の中から必要な情報を選ぶ思考力、言葉を使った表現 力が以前に比べついてきた。平成25年度の全国学力テストでは、全国平均よりかなり上回ったことにもつなが った。
○学校と家庭、地域が連携して地域ぐるみで読書活動を行えている事が、小規模校ならではの大きな成果となっ ている。
○様々な読書紹介活動を通して、自分の考えに自信を持って話せるようになってきた。それだけではなく、読ん でほしいという強い思いが生まれ、表現力の豊かさにつながってきた。
○思考力や語彙力が高まり、毎月行われる児童集会では、児童による司会進行が行われ、最後には全校児童に対 してのインタビューがある。その場で、インタビューによる受け答えをしなくてはならないが、その月の児童 集会の趣旨にそった質問ができる。また、感想を言う児童はその場で堂々と発表し、内容は年々詳しくなって きている。 インタビューには、ほとんどの児童が答えようと挙手ができる。
○自分たちで言葉作りを楽しむようになった。2年生では、担任の先生についての言葉を集めて歌を作り、全校 では、全校から集めた言葉でみんなの歌を喜んで作ることができた。また、漫俳(漫画俳句)を行事終了ごと に作っているが短時間で作ることができるなど、気持ちを表現する言葉選びを楽しんでいる。2年生以上はも ちろん、1年生でも作ることを楽しむことができている。

<おわりに>
 
受賞以後の2年間は貸し出し冊数にこだわらずに、むしろ本の質にこだわるようにしてきた。それにも関わらず、昨年度も全校平均192冊と200冊近くにいたった。そうした姿勢は、地域でも評判の明るい挨拶や、子どもたちの落ち着いた姿につながっていると思われる。このような恵まれた環境にあるのも、「読書の町」「読書の白川小学校」ということで、読書体制に協力的な保護者や地域の方々、町の図書館「楽集館」の支援のおかげである。そして、子どもたち自身にも大きな誇りとなっていることはこの上ない喜びである。

                    
   H26.7.11 第63回読売教育賞最優秀賞受賞論文より抜粋

受賞歴


    平成20年度  可茂地区図書館教育「オアシス部門」        奨励賞受賞
    平成21年度  可茂地区図書館教育「オアシス部門」        優良賞受賞
    平成22年度  加茂地区図書館教育「オアシス部門」       最優秀賞受賞
    平成23年度  ユネスコ協会 青年グランプリ           教育賞受賞
    平成24年度  文部科学大臣賞
    平成24年度  第33回「手のひら文庫賞」岐阜県読書感想文コンクール  優秀校
    平成25年度  第34回「手のひら文庫賞」岐阜県読書感想文コンクール  優秀校
    平成26年度  読売教育賞                   最優秀賞受賞
 
    

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